が突然、「あたし、もうすぐ結婚するの」と言ってきたときは、心臓が止まるかと思った。いや、一瞬だけ止まったのかもしれない。俺はしばらく呆然との綺麗な笑顔を見つめていた。するとは怪訝な顔をして、「どうしたの?」と俺に聞く。俺は「いやなんでもない」と思い切り冷静を装って呟くように言った。が「ねえ、結婚式きてくれる?」と追い討ちをかけるものだから、俺はいてもたってもいられなくなって、を抱きしめた。 「銀ちゃん…?どうしたの…?」 「あーいや、なんでもねーよ。 おめでと」 「ありがと銀ちゃん!絶対結婚式きてね!」 「わーってるって」 行くつもりなんて、なかった。何か理由をつけて、行かないつもりだ。は俺の腕の中でにこにこと笑う。その笑みはきっと、俺に向けられているものではないと思った。 「銀ちゃん、結婚しても、たまにここ遊びにきていい?」 「あたりめーじゃん。いつでもこい」 「やった!ほんと、銀ちゃん大好き!」 大好きとかさ、俺に言うことじゃねーだろ。俺が必死に作り笑いを浮かべて言うと、はしばらく何かを考えるよように、間を置いて言った。 「えへへ、そうだね。じゃあこれからはあの人に毎日言うことにする!」 その無垢な笑顔がどうしても瞼の裏に焼きついて、頭から離れなかった。 僕はこんなにも、 君を愛しているのに。 ( 今俺がこいつに好きだと言ってしまえば、何かが変わるんだろうか。 いや、俺にそんなことをする権利なんてないんだろう。俺がこいつの幸せを壊す権利なんて、どこにも、 ) |