なあ、。俺さ、お前が学校卒業したらすぐ迎えに行くわ。んで、お前の親に頭下げて言うからさ。娘さんを僕にください、って。
そしたら絶対、俺んとこ来いよ。








夢を見た。
銀ちゃんが笑って、そんなことを言ってる夢だ。私は恥ずかしくてたまらないんだけど、でもすごい嬉しかった。


ねえ。
現実の銀ちゃんも、私に言ってよ。
俺んとこ来い、って。






目を開けると、橙色の光が視界一杯に広がって、私は思わず目をつむった。それからすぐに薄く目を開けて、そこでやっと私は、教室で寝てしまっていたことに気付いた。
時計を見ると、五時半を回っている。寝過ぎた、というか誰か起こしてよ、なんて思いながら、私はため息をついた。


「寝過ぎちゃったな…」




「ほんとにな」




後ろから突然誰かの声がして振り向くと、すぐ後ろの席には銀八先生が座っていた。


「せんせい…」
「教室に鍵かけよーとして来たら、お前が寝てんだもんな。マジ勘弁してくれよ」
「あ…ごめんなさい」
「あんまり気持ちよさそうに寝てたから起こせなかったじゃねーか。どーしてくれんだコレ」
「べ、別に起こしてくれてもよかったですよ?」
「…まー、俺もお前の寝顔見んの楽しかったしな、許してやる」
「た、楽しかったんですか?」


「まーな。ってかおめー、寝言で銀ちゃん…とか言ってたけど、なんの夢見てたんだよ?」
「え?声に出してたの!?」




―――私がそう言った瞬間、銀ちゃんが固まった。なんで固まるの?と言おうとしたら、銀ちゃんは言った。


「いや、今の嘘だったんだけど…」





おまえ!騙しやがったな!と叫ぼうとしたけど、怒りより恥ずかしさが勝ったらしく、私は顔を真っ赤にして俯いてしまった。
どうしよう。自爆だ…






「あーうん、まああれだな」
「え?」
「お前が俺のこと好きなのはよーくわかった。」
「なによそれ!」
「付き合うか。」
「だからなによ、そ…れ…」


え?


「んでー、卒業したら即、俺の嫁さんな。これ決定事項だから」




そう言って、銀ちゃんは軽く、ほんとに触れるだけのキスをした。








正夢

(ねがわくば、ゆめでもえますように)